2005年05月31日

コートダジュール旅行記 ヴィルフランシュ・シュルメール

VSM遠景


東リヴィエラの小さな港町での3日間が過ぎた、
体がだいぶヴァカンスに慣れてくる。
さ、次はいよいよ人生初のフランス語圏だ。

少し高台にあるサンタマルゲリータリグレ駅の
ホームから、時間が止まっているような町を振り返る。
たった3日の滞在だったのに、太陽の光が反射する
濃紺の海がいとおしい。
SML



次の目的地はヴィルフランシュ・シュル・メール(VSM)。
ニースとモナコの中間に位置するこれまた小さな港町。
かのジャン=コクトーが愛したという町で、彼の常宿が
HOTEL WELCOMEだったということ以外、あまり情報はない。
ローカル情報をチェックしてみると、レストランはそこそこ
ありそうだし、海水浴場は砂でなく小石らしい。
ま、でもそんなことはどうでもいいんだけどね。

そもそもこの町に、いやコートダジュールに行く
きっかけになったのは、CREA TRAVELLERの
綴じ込み「南フランス 煌めきの小さな町へ」に
載っていた1枚の写真(トップの写真に近いアングル)。
http://www.bunshun.co.jp/mag/crea/crea0407.htm

美しく湾曲した三日月形の湾を見下ろすアングルから、
なだらかな斜面に連なる旧市街のオレンジの家並みを
おさめたヴィルフランシュ・シュル・メールの遠景。
“世界で最も美しい停泊地” というありがちといえば
ありがちなコピーだけど、派手さはないが、何故か
心に滲みるその情景がどうにも頭から離れなかったのだ。


サンタ・マルゲリータ・リグレから、ローカル線に乗って約1時間。
ジェノバの駅で乗り換えてフランス国境を目指す。
西リヴィエラを走るローカル列車、クーラーのきかない車両でも
窓を空けていればなんとかしのげる暑さ。2時間くらい乗ったかなぁ。
ボロ列車


Ventimigliaっていうイタリア国境の町で、
SNCF(フランス国鉄)に乗り換える。
これまでとはうって変わってキレイな列車。
世界に冠たるリゾート地、コートダジュールのパワーを感じる。
コートダジュール列車



動き出してから分ったのだが、どうやらこれは快速列車。
駅をスパスパ飛ばしながら走っていくじゃない。
列車内には、どこに停まるなんて表示は無い。
このままだとVSMは停まらないかもと思ったが、
行き過ぎたところでニースには停まるだろうし、
そっから戻ったとしてもわずか10分。
ま、なんとかなるさと不安を感じつつも開き直って
外を眺めていたら、突然高層のビル群が
目に入ってきた。

「あ、モナコだ!」

F1ドライバーでもなんでもない小市民なオレだけど、
やっぱモナコってのは特別な存在。
意味も無く涙腺が緩みだしたり変なオレ。

モナコの駅は、このあたりの駅とは完全に別物。
地下だけどスゲー天井が高くて近代的。
エスカレーターの設備もしっかり着いているし、
妙にこの駅だけがキレイで、異質なんだよね。
ま、国が違うって言ったらそうかもしれないが、
電車で入る分には、特に国境とか見えないし
とにかく不思議な気分。


その後、予想通りVSMはパスして、
次のニース・シュルメールで停車した。
クソ重たいスーツケースを2個降ろし終わったところで
気の良さそうな兄ちゃんが、「ニースは次だぜ」なる
ことを言ってくれた。どうやらオレらがニースに行くと
思ったからだろう。「大丈夫、戻りたいんだ」と伝えると
「お、そっか」的な事を言って去っていった。
なんだ、フランス人って冷たいって言うけど
いいヤツじゃんと短絡的に喜ぶ、自己中なオレ。
でも、そういう何気ない一言も旅人にはウレしい。

階段を使って逆サイドのホームに向かい
列車を待つ。日影も殆ど無いので、
スーツケースを移動させた暑さが引かない。
アチーと呻きながら、待つこと15分。
今度はローカル列車がちゃんと来た。
さっきとはうって変わってボッレ〜列車。
列車の中は木製で、クーラーなんてありゃしない。
慣れない場所だと、過剰にディフェンシブになるので
手持ちのバックをぎゅっと握り締める。
あとから考えれば、さっきの列車とたいして変わらない
のんびりした空気が流れていたのだと思うけど、
電車がボロくなるだけで、印象って激変するもんなんだね。


ニース・シュルメールからほんの5分でVSMに到着、
またまたスーツケースを運び出す。鬼のような筋トレだ。
さて、TAXIでも乗ろうかと思いきや、なんと駅前に
TAXI乗り場は無い。
駅


チケット売場のお姉さんに聞いたら、横の公衆電話から
かけてくれとのこと。海外のコミュニケーションで一番
苦手なのが電話。対面だったら身振り手振りも交えて
気合で何とかなるけど、音声だけのコミュニケーションは
逃げ場がないからねぇ、しかも初フランスだし。

下っ腹に力を込めてTAXI会社に電話を入れる。
あ、英語はなんか通じるじゃん、「VSMの山側に来て」と
お願いしてしばし待つが、一向にTAXIの気配は無い。

VSMのロータリーは海側なんだが、公衆電話が
山側にあったため山側にしたのが失敗か..

2,3度電話しても状況は好転しないので、
直接HOTELにTELしたら、TAXIを呼んでくれるとのこと。
そしたらすぐにTAXIが来たヨ、なんで?

ちなみにウロウロしたり、何回もトライアルしてるので
実際にはここで1時間以上足止めされちゃってます(苦笑)



HOTELは駅から1kmくらいのとこ。
少し高台になっているので、眺望は抜群。

ヴェルサイユベランダ

つーか、抜群ってどころの話ではないナ。
オレの言葉や写真の腕では、とてもあの素晴らしさを表現できない。
この旅一番の眺望とも言っていい絶景がHOTELの前に広がる。
ロビー、ロビー周りのレストラン、プール、もちろん部屋からも
目の前に静かな入江越しに、高級別荘地が連なる
サン・ジャン・カップ・フェラの半島が見えるんだけど、
この美しさは言葉にならないね。
さっきまでの気苦労が瞬時に吹っ飛び、感嘆の声だけが洩れる。
サンジャンカップフェラ


ロビー前のオープンデッキに移動し、淡い紫に染まる空の真下、
必死で移動した自分にご褒美のビール。

風がデッキをやさしく吹き抜け、疲れた体を撫でていく。。。
緊張がほぐれ、だんだんと南仏の空気に馴染んできた。

思ったより相当素敵なコート・ダ・ジュールの始まりだ。



前号ではイタリアの古き良き時代の姿をそのまま残す漁村
チンクエテッレをレポートしています
http://kyah.at.webry.info/200502/article_17.html





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1. コートダジュール旅行記?? ニース  [ Priceless ]   2005年10月29日 13:06
気づいたら南仏に行ってから1年も経ってしまった。 旅行記なるものをマジメに書こうとすると筆が進まないので、 ほぼ写真だけの手抜きレポを。
2. コートダジュール&Wedding 2004 〔まとめ〕   [ Priceless チョイワルミソジの食べ歩き ]   2006年01月27日 12:32
こないだまで、アップが続いていた コート・ダ・ジュールヴァカンスレポート。 ビンタン島でのWeddingもあわせて約3週間の ヴァカンスだったんだが、アレって2004年9月の ことなんだよね。

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