2014年08月17日
ラ パスタイオーネ （麻布十番） ランバ・ラルのパスタ
今年のはじめ頃、麻布十番の『パスタイオーネ』で、
"パスタで旅をするイタリアの6都市”が裏テーマの
食いしん坊の食いしん坊による食いしん坊のための
パスタ会があったんです。
名前が知っていて気になったとしても、実際に伺える店は
そんなにあるわけじゃない。新しいお店を開拓する以前に、
リピりたいお店にも、充分にイケてるわけじゃないし。
この日はJaffaさんからのお誘いで念願の初訪問。
久しぶりに心からパスタに感動しました。
場所は二の橋から少し広尾方面に入ったとこ。
信号からは徒歩一分圏内。
ファサードは正直喫茶店風で、一回通り過ぎてしまって
戻ってきました。イメージ的にチャラそうな感じだったので、
素朴さと渋さがにじむ玄人向けのビジュアルとは想定して
なかったんです。
そして、この時に感じた印象は食後まで続きます。
”チャラいパスタがひとつもねー!!! 渋くて男前のパスタ専門店”だと。
そう、敢えて言うなら”ランバ・ラル（35歳）”だと。
いやね、パスタがウリです、って極端な話 人の耳に残りにくいんですよ。
今なら”ナポリピッツァがウリです”って言ったほうが、「もしかしたらこの店
ワカッてるのかな」って思われやすいじゃない。
だって、Googleさんに聞いてくださいよ「パスタ」「専門店」って。
上位に出てくるのは、ジョリーパスタ、パスタ壁の穴、すぱじろう、ですから。
日本国民全体が、中途半端にパスタのこと知った気になっちゃってるし、
そこそこの店でも、そこそこのモノ食べられちゃうから、突き詰めようって
モチベーションにはなりにくいんだと思います。
そんなオレの甘ったれたスタンスに、米永シェフの
パスタは、静かに語りかけてくれました。
「ザクとは違うのだよ！ザクとは！！」
なまじっかモビルスーツの性能に甘んじていたアムロ・レイ（15歳）の
気持ちがわかりました。これまでのモビルスーツとは違うぞと。
ヒートロッドの一撃をくらったかのような一皿が「黒トリュフのリゾーニ」
トップの写真のパスタです。
一見、米と見間違えてりまう「リゾーニ」に、トリュフの香りが絡みついています。
な、なんだ、このツルツルの食感は...。耳で聞いても体が理解するまで時間差が
あるので、どうしても舌がリゾットの食感を前提に置いてしまうんです。
その違和感が中々消えなくて、慣れた頃には既に中毒になっているという
なんとも挑戦的なパスタです。いやー、ビリビリした。
続くパスタは、シナモンとバターと砂糖で味を調えたパンで作ったニョッキ。
静かなルックスのシェフから、「この風！この肌触りこそ戦争よ！」と魂の
叫びが聞こえてきそうです。パスタってここまで面白かったのか！
それなりの種類のパスタは食べてきたし、自分で作ったりもしてきました。
でも、レストランのパスタとはそもそも次元が異なるし、専門店ともなれば
ここまでやってくれるんだ...って、外食の醍醐味を思い出させてくれます。
そして、スペシャリテの生うにと茄子とトマトのトンナレッリです。
ここまでくると、むしろ魂が満たされて、次なる戦いへのモチベーションが
湧いてきます。一晩にパスタ6皿って凄いっすよ、フツー飽きるって。
パスタで流れ作るって、最初に「よろにく」食べた時を思い出したモン。
え、なに、焼肉で流れってあるんだ！って。ワリとあれに近いよ。
「ぼくは… ぼくは… あの人に勝ちたい…！」
暗闇の中で涙を流したアムロとシンクロしてしまいました。
腹一杯で立ち上がれないのに、まだ最初からやり直したい。
ちとマニアックに書き過ぎましたが、フラッと女子2人で寄っても、
全然楽しめるお店です。ただ、よく考えたらこのスタンスのイタリアンって
あんま他に無いから、挑戦するスタンスへの賛辞もふくめて敬愛する
ランバ・ラル大尉に重ねて、レポらせていただいた次第です。
ラ・パスタイオーネ （イタリアン / 麻布十番駅、赤羽橋駅）
夜総合点★★★★☆ 4.0
ラ・パスタイオーネ
03-6809-3420
東京都港区南麻布1-6-3 YREビル1F
http://www.la-pastaione.com/
シェフはランバ・ラルみたいなビジュアルじゃありません。
むしろ優しい印象のイケメンシェフです。
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さすがに、続きではガンダムネタは封印で。
サラダと生ハム盛り合わせで、徐々にコンディションを
作りこんでいきます。カヴァに合わせてあげてきます。
白子のフリットまで出してもらえるとは予想外。
そろそろパスタとも向き合う時間です。
最初はキクイモを使ったタヤリンのペペロンチーノ。
王道の入り方ですが、キクイモ合わせてくるのが渋い。
食感のコントラストが、じんわりとエロい。
続いてはフェットチーネのボロネーゼソース。
この2品、文字で見るとフツーじゃん？って感じるかもだけど、
このオーソドックスそうなジャブで、しっかりと方向性を示しています。
マリナーラとマルゲリータで、ピッツェリアの全体像を
つかみにいく所作と似た感じですね。
結構ゆったり目の展開なので、まずはこのへんで一度落とされますｗ
目覚めた瞬間、フルストットル開けてしまいました。
さっきも書いた黒トリュフのリゾーニ。先ほどまでの似てるけど違うぞ、って
ジャブではなく、相手を倒す気迫を込めた渾身の一撃でした。
続いては、見えない角度からフリッカー放ってきましたね。
実は、あんましニョッキって興奮しないんだけど、こんな
アプローチされたら、その気がなくても勃ちますわ。
（写真無いですが...）
そして、いよいよ放ってきましたね。
利き腕の勝負を決めるストレート、生うにと茄子とトマトのトンナレッリ。
書いててしみじみ思いますが、オレ、今、一番再訪したいのパスタイオーネ
かもしれません。直後は酔っパラって曖昧だった記憶が、いい感じに風化して
骨格がむしろキチンと見えるようになってきたのよ。
〆はローマ風のカルボナーラ。
火を入れた卵とパルミジャーノとペッパーのパスタ。
なんと、何の変哲もないような顔して、シレッとフォアグラ
使ってくるとはね。
最後のホワイトガトーショコラはバターを使わずオリーブオイルで
作ってるんだって。低カロリーで軽くて甘すぎない！！！
ありそうで無かった戦士のパスタ専門店。
米永シェフ、篠原オーナー、また手合わせお願いします。
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