2016年12月23日

小川長樂 古稀記念 作陶展 (日本橋三越)おくのほそ道をめぐる

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日本橋三越で開催されていた『古稀記念 小川長樂 作陶展』。新しい歳の初めは美しいもの、本物に触れておきたいと、誕生日を迎えたその日、箱根の帰りに寄りました。


三代小川長樂さんは、襲名以降、個展毎にテーマを定め、「百人一首見立て茶盌」など和歌をテーマにしたり、伊賀に新工房を構えた時は松尾芭蕉の「野ざらし紀行」に挑戦するなど”樂茶盌”が持つ尺の大小を超えた世界と、和歌や俳句が紡ぐ無限の情景を重ね合せ、独自の世界観を築いてきた方。
 

今回は、松尾芭蕉の『おくのほそ道』がテーマ。芭蕉生家や菩提寺のある伊賀を起点に、東北の地を巡りながら3年の年月をかけて制作された新作が並ぶ。
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自ら名づけた「銘」が持つ世界を表現した作品が並んでいるんだけど、ひときわ目を引いたのがTOP写真の『日の光』。"あらたふと 青葉若葉の 日の光"、青葉若葉の輝きを日光東照宮で詠んだ句をテーマにした茶碗は古稀にも関わらずめちゃモダン。
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黒樂茶盌がシグニチャーな窯元だけど、赤の発色も好きなんすよね、自分。"笈も太刀も 五月に飾れ 紙幟”というのは、弁慶の笈と義経の太刀を所蔵する医王寺で詠まれた。端午の節句の時の句なので、鯉のぼりとともに武者の絵が描かれた幟(のぼり)が街道に並んでいたようです。
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こちらの銘は『高館』、あの有名な”夏草や兵どもが夢の跡”の句は、自分も行ったことがある場所だけに自然と茶碗にも愛着が湧いてくる。
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今回のおくのほそ道をテーマにした作品群も、まずは作陶に入る前にすべての作品の完成形をイメージし、流れを組み立ててから作るんだそうです。なのでイメージに合う作品が出来るまでは、たとえいい器ができたとしても、完成には至らないんだそうです。若旦那の祐嗣くん曰く、命を削るような日々だったそうで。飄々としたいつもの感じからは想像すらつかない姿ですが、来年こそは窯元に寄らせてもらおう。
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いつか自分の家にも織部鉢を置いてみたい。
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いいお茶碗を見せていただいただけじゃなく、今回の展示会とは別に、もっと昔に作られた小川長楽の茶器でお茶席を愉しませていただいた。
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ボクが使った茶碗は、白楽。掌で包んだ時の感触が見た目よりも肉付きがあり、ぬくもりを感じるお茶碗でした。口をつけた時の心地よさも、当たり前だけど自分の持っているものとは大違い。こういう体験大事だわぁ...。
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お棗もなんとも言えない色気を纏っている。
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時間が取れなくてお茶には通えなくなったけど、たまには家でもお抹茶点てたくなりましたわ。来年はもっともっと積極的に良い物、本物と触れ合っていきたいと思います。
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おくのほそ道の見立の20数作品です。


水指なので写真より存在感もっとあって、艷やか。
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”行春や鳥啼魚の目は泪”の句では、船の形の花器を。

3月27日、芭蕉は千住で見送りの人々と別れた。この別れの際に不安と惜別が去来しこの句を詠んだらしい。『奥の細道』は大垣が終着点なんだけど、そこでは”蛤のふたみに別れ行く秋ぞ”と詠んでいる。 千住と大垣で「行く春」と「行く秋」、「舟をあがり」と「また舟にのりて」と、集の始めと終りに鮮やかな対称性が入ってる。 
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気になったお茶碗は色んな角度から眺めたくなる。
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基本は写真撮影禁止なんだけど、勿論、許可はもらって撮ってます。というか、kyahさんの視点で見た写真をみてみたいと。ありがたいっすね、ほんと。
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この花入れは、鄙びた風情が漂っている。句が詠まれた雲巌寺の草庵の景色が見えるようだ。
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栗の花をイメージした焼貫茶碗、持ってみたかったなぁ。
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この展覧会でお気に入りの3つのうちのひとつ。なんど見ても飽きない。
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こちらの黒茶盌は『あやめ草』
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これも、めっちゃ惚れて、目の前を何度も行き来してました。
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”五月雨の 降り残してや 光堂”、奥州平泉の金色堂『光堂』の銘の香炉。まりえの一番のお気に入り。
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”閑さや岩にしみ入る蝉の声”の句でお馴染み山寺は、自分が2011年に回った”おくのほそ道”旅でも最も惚れ込んだお寺。『蝉しぐれ』の銘の織部平茶碗、あの夏を思い出す。
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銘は『萩と月』、”一家に 遊女も寝たり 萩と月”。句にふさわしい艶っぽさと、どこかロマンチックな雰囲気が同居しているように見える
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こちらは茶盌上部の釉薬具合がやけに刺さる『菊慈童』、これも触ってみたい。
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おくのほそ道の最後の作品は、焼貫水指の『行秋』。”蛤の ふたみにわかれ 行秋ぞ”、百五十日の旅に終わりを告げる句を見立てたもの。
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お声がけいただいたおかげで、44歳のいいかたちでスタートできました。ありがとう!そして、本当におつかれさまでした。
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kyah2004 at 23:30│Comments(0)TrackBack(0)LifeStyle | Pic.

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