2018年10月18日

Azurmendi (スペイン)サスティナブルなエンタメ三ツ星の威力とは

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日本にも「エネコ東京」をオープンし、認知が高まりつつあるスペインの三ツ星『Azurmendi (アスルメンディ)』。

若き三ツ星シェフ「エネコ・アチャ」の魅力は、料理だけでなく、レストランでの”体験”や、レストラン経営のフィロソフィにも現れているので、バスクに行ったら是非訪れて自身の目と舌と肌で感じて欲しいガストロノミー。
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バスクといえば、サン・セバスティアン近辺に三ツ星レストランが集中してるけど、ここはビルバオの町から車で20分くらい。丘の中腹にビストロの「エネコ」と、更にその上に『アスルメンディ』のレストラン棟が並んでいる。
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アートミュージアムのような外観の『アスルメンディ』だけど、World Top 50でサスティナブル賞を受賞している理由の一つは、この建築がデザイン性とエコを共存させているから。
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太陽エネルギー、地熱エネルギー、雨水のリサイクルなど自然のチカラを効率よく利用すできるように設計されていているというハード面もさることながら、バスク土着の種子を400種以上保管し地元の産物の存続を目指すなど、長期的な視点に立ったレストラン経営をしてるのに驚かされる。
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エネコ自身は、腰の低い飄々とした兄ちゃんといった風貌なので(まだ30代なかばだしね)、あの彼がそんな崇高なスタンスでレストランマネジメントをしているのかと思うと、マジで頭が下がります。
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詳しくは後述するけど、ここを訪れたゲストは、レストランの厨房の中も見ることができるのね。その時に圧倒的なスケール感、クリーンさにも驚かされるはず。料理のクリエイションだけではなく、多くのスタッフを統率し、ひとつのベクトルに向かわせるシェフの人望が可視化されているようで、三ツ星の凄みを感じます。
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そんな『Azurmendi』は2年ぶり、2度目の訪問。この数日前に訪れた「マルティンベラサテギ」は、料理の繊細さが神がかっていてお出汁的なニュアンスを感じさせるものに対し、エネコの料理はタレを彷彿とさせるものが多く、若干日本人には単調さを感じさせる側面も。
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とはいえエンターテインメント性の高さやキマった時の料理の破壊力は見事で、
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ワインのセレクトも遥かに好み。リオハの86年の白ワインとかシビれまくりでした。
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エビのマリネにトマトゼリーのビネグレットを添えた前菜は、エビがニュルンとしてて印象に残る火入れ。ジンジャーのシャーベットとの組み合わせが実に”らしい”。後から赤いスープを合わせ、魚介のガスパチョ的な仕上がりに。海そのもののような深遠な印象を残すソース
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葡萄風味の小烏賊は燻製具合がちょうどよく、テクスチャが鮮やか。
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3種類の調理法で出されたヒメジは強烈にシビレた。腸のブニュエロとキャビアの乗せた炙りヒメジは再構築具合がワクワクしまくりで、奥に見える炙りは、レア具合が泣けるほど旨い。
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炭火焼きも非の打ち所がなく。この日、一二を争う衝撃のひと皿。
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料理のラストが、似たようなベクトルの肉が2皿続き、ちょいとキツかった。
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とはいえ、子豚の尻尾シチューをアンチョビと合わせたりと料理は実に果敢で、2年前の記憶をアップデート。
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デザートのアーティスティックさも、このレストランの魅力のひとつ。
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ランチは4時間以上かかるし、その日はなにも食べられないという状況は「マルティンベラサテギ」と同様だけど、ダメージを引きずらなかったのは、実はエネコの方だったというのは意外でした。
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ゲストはカジュアルな方が多いけど、隣のマダムは「あなたたちのドレスアップは、このお店の中で最高よ!!」とわざわざ声をかけてきていただいたり、
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厨房でもなんかスペシャルなゲストが来てるっぽいぞとざわつかせたりと、着物の演出力は言葉の壁を補って余りあるパワー。
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ここでしかできない体験が待ってる唯一無二のガストロノミー。コースは2種類で、2年前との印象の違いも確認したくてオーセンティックなコースにしたけど、次回は新コースの方を食べてみたい。
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Azurmendi
(+34) 944558866
Barrio Legina sin numero , 48195 Larrabetzu Bizkaia,Spain
https://azurmendi.restaurant/



日本のエネコバルが未訪なので、近いうちに行っておかねば。
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「マルティンベラサテギ」は紗の夏着物で訪問したけど、『アスルメンディ』は遊び心ある浴衣に陣羽織で。
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最初の「ピクニック」とか、サンルームで素材と対峙しながらのピンチョスとか、そういうワクワクする仕掛けには、同じ和装でもチャレンジングなスタイルが合ういそうだなと。
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お店についてレセプションで予約名を告げていたら、ちょうど後ろをエネコが通りかかり。数日前に東京でイベントをやっていたのは知っていたので「日本にいるんじゃないかと思って心配してたよ。今日はビルバオに戻っていた良かった!」とご挨拶。
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厨房に向かうシェフを見送りながら、チャコリとともに「ピクニック」。サン・セバスティアンのバルストリートのパンチ力あるピンチョスも食欲をそそるけど、完成度の高いアミューズってのも、期待感が高まって堪らんね。

ピーナツ、ハイビスカス、塩味のブリオッシュ、シードル風味のチョリソ
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ピクニックが終わると、順番に厨房へと通されます。三ツ星はこれだけの設備と人がいるのかと、初回の時は衝撃でした。今回も改めてスゲーなと。どのエリアでどんな料理が作られているのが説明をうけ、調理人の一人が実際に目の前でワンスプンの前菜を作ってくれます。
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卵とトリュフのワンスプーンはアスルメンディのシグネチャーメニュー。前回はテーブルに座ってから一皿目として完成形が運ばれてきたと記憶してるけど、目の前でつくられるプロセスが見られるというのはイヤでも昂ぶるし、それを厨房で食べながらいただくというのも新鮮過ぎていとをかし。
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続いては温室のようなガラス張りの部屋グリーンハウスへ。料理に使われる素材やハーブが並べてあり、その素材で作られたアミューズを、これまたその場でいただきます。ミシュラン三ツ星なんていうと、贅沢な空間でナイフとフォークを優雅に使いながら、なんてイメージが一般的かと思うけど、言ってみれば「立ち食い✕手づかみ」のスタート。
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まずはシードル。
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このあたり、世界一のバルストリートを誇るバスクのプライドを感じます。ピンチョスも立ち食い、手づかみが魅力なわけで、それを三ツ星らしくエレガントに再構築してるわけです。
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スパイスを眺めたあとに、ひとつだけアミューズが。スパイスコルネ。
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こちらはカイピリチャ、チャコリのカクテル入りボンボンです。
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いよいよ、温室からダイニングへ。
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4つ目のアペタイザーといって紹介されたものは、テーブルの上に。
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装飾かと思いきや、1枚だけ食べられる葉っぱがあって、正体はキノコのプラリネ
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フォアグラとライムのジュレ、エディブルフラワーの入った“レモングラス”
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こちらは毛蟹のボンボン
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マッシュルームに砂みたいなのをつけて。つけすぎても美味だった。
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ピクニックから、このあたりまでは怒涛の品数なので、写真を撮ってなかったら確実に忘れているものも。写真見ても、コレなんだったかな…ってのはあるけれど。
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フカモチのパンなんですが、強烈に旨い。食べ過ぎないようにストップかけるのが一苦労。
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エビ 火入れがニュルンと。下にトマトジェリーのビネグレット。ジンジャーのソルベ。後から赤い魚介のガスパチョ的な海のソースを加えて海の深淵へと潜ります。
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このあたりは泡だったかな。
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続いての料理に向けてドンズバの白のリオハを。
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グリルロブスター。コーヒーバター、Zalla産のパープルオニオン。
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これはシグニチャーメニューのひとつ。前回も食べたけど、落ち着いて対峙できたせいか更に洗練度が高まっている印象を受けた。
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小イカの燻製なんだけど、全くもってイカって主役なのねと思い知らされる一皿。
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葡萄風味の燻製が程よく、テクスチャも鮮やか
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ソースとのバランスも素晴らしく、小気味よく食べ終わってしまった。
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前回はワインをペアリングにしたら、とんでもない数が並んだので、適度なタイミングでグラスを持ってきてもらうのでちょうど良かった。
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やっと、一息。まだ到着していないゲストも多数。
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続いてはロゼ。
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野菜のビーンズ仕立てイベリコ豚のクロケット。食べたことないくらいスマートなタイプ
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見た目と味は全然リンクしなくて、舌の上での記憶の再現が困難。まりえはトンカツと言うてた、ある意味そーかも(笑)
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ヒメジを3種類の調理法で。ビジュアルだけ見たら、もはや食後です。
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腸のブニュエロとキャビアと合わせたヒメジのフリット。この再構築加減はさすがガストロノミー。
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炙りヒメジ、この食感、味わいは、このコース随一。
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炭火焼きはピーマンとパセリと葡萄のソースで。ソースは濃そうに見えて全然ライト。魚料理の美味しさは、バスク地方はほんとさすが。
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コーンブレッド。できたてを通販で買えるようになって欲しい
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肉料理に向けて赤ワインを。
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こちらもリオハで、ヴィンテージは1987。このあたりの熟れ感が実にエレガントで、スペインワインに抱いていた印象がこれまた大きく変わりました。
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イベリコ豚のCastaneta、Idiazabal チーズボンボン、塩漬けした大根。
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豚の内臓系の肉をタレと卵みたいなチーズで味わう独特の一皿。味の落とし所は面白いけど、ちょっとこのソースが重め。
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子豚の尻尾シチュー、Bermeoアンチョビ。若干どて煮風のソースで日本人には難解過ぎ、しかもヘビーだし。ただ、後半に効いてくるアンチョビが見事で、タレと豚の重さをを封じ込めるのよ‼︎ その完成形の時の味わいは見事。
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前回はこの辺で泥酔&満腹で瀕死だったまりえも、今回は余裕の表情。デザートワインで体制を整え直す。
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どシンプルなビジュアルだけど、さっきまでの満腹状態をリセットしてくれる見事なクラッチ。
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レッドフルーツ、バジル、Etxano産チーズのアイスクリーム。
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こちらのお姉さんも素敵でした。
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ヨーグルト、蜂蜜、5つのスパイス。一皿一皿、もう一度空腹時に対峙したい。
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チョコレート、ピーナツ、甘草。これは日本のエネコでも食べられたかな?
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いやぁ、見事に走りきりました。ティータイムでほっと一息。

あとでグッゲンハイム美術館あたり散歩するかねと、まりえと食後の相談を。なんせ、夜が20:00過ぎまでやってこないので、17:00過ぎたところで、まだまだ太陽の下で遊べます。
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プティフールもきれいなのよね。
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ライフワークにしたいくらい、ハマっているスペインはバスク地方。
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有名ではあるけど、まだまだ日本にはあまり入ってきていないバスクの味覚領域。食べられるうち、動けるうちに通っておかないとね。
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kyah2004 at 23:32│Comments(0)スペイン | バスク_201809

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