2019年03月11日

真葛焼の若旦那と丹後をめぐる旅


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去年の秋 京都 真葛焼の真くんから、茶室で「kyahさん、丹後に行きませんか? 連れていきたい蔵元があるんですよ」と誘われて、即決した丹後トリップ。
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雨男の若旦那のおかげで丹後の景色のポテンシャルは引き出せず終いでしたが(笑)、夏に再訪を決めるくらい気に入りました。シンガポールから来た弟やまりえも、丹後のポテンシャルに魅せられてたしね。
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わざわざ誘ってくれただけあって『竹野酒造』は衝撃。酒づくりのアプローチやビジネス展開の話も面白く、一言でいうとブルゴーニュのグランクリュでした。
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しかも、真くんの『竹野酒造』との出会いの演出まで粋でね。

丹後に行く前日は、京都に泊まることにしていて、真葛焼の窯元に寄ってからすぐ近くの『ル ピックアシェット』でディナーという流れだったんです。
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お抹茶をいただいた後、
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なんだかゴソゴソ用意してるなと思ったら、真葛焼の水指をワインクーラーがわりにして、竹野酒造のプレステージキュヴェ「in/ei」や、Joseph PotyのCharmes Chambertin(79年)をおもむろに持ち出してきたんです。しかも試作中のワイン用の焼物も持って!
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国内の旅先、特に京都でフレンチという選択肢はあまりないんですが、これは京都ならではのフレンチ体験。俄然テンションがあがります。
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そう、若旦那の真くんは無類のワイン好き。にしても、まりえのB.Dヴィンテージだからと1979年をセレクトとなんてお洒落過ぎるエスコート。
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『ル ピックアシェット』は、オーセンティックなフランス料理を出すモンマルトルの丘を彷彿とさせるレストラン。京都っぽい、くねくねした細い路地を抜けた坂の途中にあり、なんだかあの辺を思い出して。
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シェフは、京都で和っぽいニュアンスを挟むと中途半端になるということで、敢えてモダンっぽい寄せ方はせず、王道のフレンチにこだわっている。京都亀岡の七谷鴨、カスレ、オニオングラタンスープといったあたりが、しみじみ美味しかった。
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そして、そんなオーセンティックなフレンチなら、Charmes Chambertin(79年)が圧勝するって思うじゃないっすか。ところがね、竹野酒造の「in/ei」(陰翳)は、ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュとは違ったベクトルで、料理の魅力を引き立ててくるのよ。
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こんなワインと並べて語れるって、これまで体感したことのないタイプの日本酒。役割は違うんだけど、乾杯の時に空けたテタンジェは完全に次元が違っていて、もはやチェイサー的なポジションに回ってました。
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そうそう試作品の真葛焼のワイン用陶器は、ブルゴーニュグラスよりも更に味をまろやかにしてくれるのよ。ガラスの方が味が固く感じて、思わず当家分も発注しちゃいました(笑)

ル・ピックアシエット (Le pique-assiette)
075-531-9850
京都府京都市東山区下馬町491 アースコート清水 1F
http://le-pique-assiette.com/



とまぁ、こんな前日の予習からの丹後「竹野酒造」行き。

現地では「竹野酒造」杜氏のヨシキ君とお酒についてだけじゃなく、富裕層向けのインバウンドビジネスの話とか、丹後という土地が持つ旅人向けのポテンシャルとか色々話してて、14:00から26:00までが、ほんとあっという間でした。
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この時期は酒造りのため、杜氏さんは酒蔵を離れることはできないんですよね。なので、蔵元併設のBARで何種類かお酒を試飲させてもらったりとか、真くんが真葛焼のお茶碗でお薄点ててくれたりとか、夏はめっちゃ気持ちよさそうな海岸線までドライブしたりとかね。
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日没前に海が一望できる温泉につかってからの『縄屋』でディナー。竹野酒造のお酒をいただきつつ、丹後の味を堪能させていただきました。
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〆の甘エビの炊き込みご飯、海老の食感がエロス。
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和久傳出身の吉岡シェフが、地方には料理や空間、器にこだわった洗練されたお店が少ない...ということで地元に帰って立ち上げたお店だけに、『縄屋』は竹野酒造のお酒に抜群のマリアージュ。
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この日は「in/ei」よりも更に新しい「ni」というプレステージキュヴェもいただいて、熟成の可能性についても魅せられました。

畑や米の作り手にまでこだわらないと、理想の味には近づけない。農薬は全部が悪いとは言わないけど、個性を失くすリスクがあるので使いたくないとか、美味しさの裏側の話も聞けると尚更楽しい。
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魚菜料理 縄屋
0772-65-2127
京都府京丹後市弥栄町黒部2517



食後は、話が弾んで竹野酒造のBARにもどり、ブランデーやコニャックとも「ni」を飲み比べ。これから先は、ワインのように長期熟成にも耐えられるプレステージの清酒にも挑戦していきたいというだけあって、これだけのお酒と並べても、全く引けをとらないのよね。
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前日に「ル・ピックアシエット 」で買ったお土産のガトーショコラが深夜にいい仕事してくれたり、
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酔い覚ましで酒蔵見学させてもらったりと、まさにPricelessな時間を過ごさせてもらいました。
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酵母って生きてるのね!!
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弟とは、シンガポールを窓口にして、富裕層向けに”ありきたりじゃない”日本を旅することができる仕組みを作ろうとしてて、去年秋から京都やニセコ、丹後あたりを連れ回してるけど、改めて日本のポテンシャルの高さを感じてくれたようで。
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実現に向けては、色々課題出てくるだろうけど、とりあえずはTRYしてみてから、色々考えればいいかなと思ってます。まずは、やってみないとね。

っていうか、日本でもこういう旅に興味ある人集まったら、ミニツアーにして組んでみてもいいかなと思ってます。
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京都市内まではしょっちゅう来てても、そこからレンタカーっていうのは中々のレアケース。

今回の丹後行きは、
1日目:ランチ頃に京都入りして市内で1泊。
2日目:朝、京都駅でレンタカーを借りて丹後に向かい、丹後で1泊
3日目:夕方に丹後から京都へ帰還。
     京都駅でレンタカーを返して東京に戻る
という流れ。


初日は京都にお昼前に到着。駅で弟と合流し向かったのは河原町二条。京都の腕利きコンシェルジュのおすすめ『即今藤本』でランチを。

なにげに今年はじめての京都入りということもあり、RYO&かおりん夫妻、それにたまたま京都にいたタクちゃんも一緒にランチ。8席のカウンターなので、この日はボクら6人で貸切状態に。
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白魚と汲み上げ湯葉に菜の花といくらを散らした一皿目で心をつかまれ、鳥取の鰆は炙りが香ばしく、桜鱒の焼物で昂ぶり。鱈と蛸はタケノコが忍ばせてあり、ワカメのふかふかな食感が印象的でした。
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即今藤本
075-708-2851
京都府京都市中京区榎木町92-12


食後は近くの骨董屋さん覗いたり、一保堂でお茶をしたり



まりえと、ヨシタカの3人で、清水エリアの町家を一棟借り。清水の真葛焼 窯元に近かったというのもここを選んだ理由。
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2人だと持て余すけど、3人以上だとちょうどいい。
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夕方から真葛焼の窯元へ。飾ってあるお雛様が歴史。
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窯元の茶室「尚古軒」でお茶をいただきながら、丹後の旅プランについてオリエンテーション。カフェじゃなくて茶室で旅相談って、京都だと尚更ハマる。
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隣のお茶室には、このお茶碗の絵の入った掛け軸なんかも飾ってあったり。日本の美意識って、やっぱり洒落てる。
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こういう和の生活の中で、季節とともにお茶を愉しむっていうのが理想だけど、現実問題それは難しい。だとすると、こういう美意識をボクらの現代の生活の中に、どう取り込んでいくのか?ってのが課題。それができると、マーケットも世界へと広がるしね。



工房を見学させてもらっていたら、例のワイン用陶器を見つけてね。
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その場で「今晩フレンチだったらワインで使わせてみてよ」って話になって。
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『ル ピックアシェット』で充分に”ワイン用の真葛焼”のポテンシャルを感じられたので、ボクは即オーダーしたわけだけど。こういう体験こそが新しいマーケットを拓くひとつのヒントなんじゃないかと思います。
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東京でも、着物をきて、真葛焼ワイン用磁器をもってお気に入りのフレンチへと出掛ける。こういう日本人ならではのレストランの愉しみ方って、より非日常感を高めてくれると思いません?





翌日は早起きして9:00に窯元まで真くんを迎えに行き、京都駅でレンタカーをピックアップ。最近、丹後まで高速がつながったので、京都駅から天の橋立のある宮津まで2時間弱で行くことができる。

宮津駅前の『冨田屋』でランチ。11:30頃なのにこの行列。
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規格外の安さで大人気のこちらのお店。
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ボクラがオーダーした巨大なブリカマが600円。それはそれでオトクだったんだけど、間違えてオーダーを2つ入れて焼いてしまったらしく、スタッフのお母さんたちが「どなたかブリカマ食べませんか?」と店内のお客さんに営業をかけはじめる。反応が薄かったせいか、即座に半額300円での提供となって無事に引き取り手が見つかりました。なんだか、そういうアナログ感が新鮮で楽しかった。
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天橋立からは1時間もかからずに『竹野酒造』まで辿り着けます。
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基本、この時期に見学は受け付けてないけど、真葛焼とのコラボイベントなどがあるので打ち合わせも兼ねて。
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ライスフィールドビューのBARが併設されているので、そこでまずはお抹茶を。このお茶碗も真葛焼、車でわざわざ運んできました。こういう労力こそが、質の高い時間創りの源泉となる。
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『ル ピックアシェット』で昨晩買ったガトーショコラ。見た目より遥かに濃厚。
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お抹茶の後は、竹野酒造のプレステージキュヴェを試飲しながら、徐々に空気を緩めていく。
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頃合いを見て、ホテルにチェックインして海を見下ろす「宇川温泉よし野の里」へ。
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上の写真ではイマイチっぽいけど、デザイン性高い設計の温泉施設で、湯船に浸かってるとインフィニティ風呂よろしく、海とつながってるような錯覚を覚えるのよ。
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折角、ビジュアルいいんだけど、いかにも田舎っぽいポスター貼り散らかしたり、ロッカーが昭和だったりで、デザイン性の高さが活かされていないのが惜しい。

住んでる人の生活の一部なんで仕方ないとこではあるけど、休日限定でレストランやカフェの洗練度を高めて、AWAYのゲストからの単価をあげるような仕掛けを作って欲しいなとも思う。

夏だったら風呂上がりにウッドデッキでクラフトビール飲みたいし、昼寝スペースもプライベート感作ってくれたら、喜んでお金払うので。




真葛焼の若旦那にしても、竹野酒造の杜氏にしても、アーティスト気質の高い職人は、どうも日常生活はぶっ飛んでるとこあって、ランチの時には車のエンジンつけっぱなしだったり、お風呂に行く時には車のドアを開け放しだったりと、常人には理解のできない行動をとるのよね(笑)。おかげさまで、腹抱えて笑うことができましたわ。


そんなお風呂時間からの『縄屋』ディナー。春の食材と春の真葛焼。
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自分のお皿とお酒をレストランに持ち込みって、造り手ならではの遊び方。そして、そこに便乗する当家。
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食後はタクシーでなんとか竹野酒造のBARに戻り、少し落ちてから2次会開始。
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旨い酒はずーっと飲める。
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ここで、濃厚なガトーショコラが大活躍。深夜のお酒に究極のアッビナメント。
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アッパーなお酒をひとしきり飲んだあとに、ちょっと「in/ei(陰翳)」でクールダウンしますか。って。これだけのお酒のしんがりを務められる清酒って、ほんと凄い。

そのうちに誰かが「やっぱ、この「in/ei」作ってるとこ見たいよねって話になって急遽深夜の酒蔵見学。
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酵母もオリジナルで作ってるようなことを言ってた気がするけどこのあたりは泥酔ゆえ、記憶は曖昧。
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まさに発酵過程の新型。光に反応して、酵母が動くんです。
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だいぶアルコール成分が強くなってきたタンク。油断して思いっきり息を吸い込んだら涙出てきたわ。
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現代の杜氏は、経験や勘だけでなく、当然のように数式は操るし、
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様々なジャンルの本からインスピレーションを得て、お酒づくりに活かしている。
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竹野酒造
京都府京丹後市弥栄町溝谷3622-1



宿泊は、深酒になることを予想してか、竹野酒造から5分ちょいのホテル「丹後王国」に。ネーミングは微妙だったりするけど、緑の多い施設なので、庭で酒飲むには悪くないシチュエーション。
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帰りがけに古代米を使った「伊根満開」の蔵元 『向井酒造』にもご挨拶。あいにくの雨だし、伊根満開は売切なので、夏の再訪を約束して伊根の町を後にしました。
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ここは舟屋で有名なフォトジェニックな町。とはいえ、雨でドローンは飛ばせないし、カメラを構えるのすら厳しいコンディション。
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ということで、天橋立を眺めながらの寿司ランチ。
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『雪舟庵』はシーフロントという好ロケーションなのでランチ向きだけど、お土産に作ってくれる太巻きがめちゃオススメ。
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雨がやまず日本三景「天橋立」の威力はわからないまま帰ることになるかと思いきや、竹野酒造のヨシキくんが『玄妙庵』という歴史ある絶景の宿を紹介してくれたので、お話を伺いつつ景色を愉しめました。
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見れば見るほど不思議な地形。天気のいい時に、この景色をアテに旨い酒が飲みたいです。
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玄妙庵は、一部の部屋からリノベをはじめていて、テラスにお風呂のあるモダンな客室も。
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16:00過ぎに天橋立を出発して、18:00前には京都駅に着いてました。新幹線までちょっと余裕があったので、最後に京都駅近くの粉物や『あらた』で旅の〆。
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日本のカントリーサイドは魅力あるけど、洗練された遊びも出来るかどうかが当家にとっては凄く大事。そういう意味で丹後は、掘り甲斐のある場所だったので夏には再訪を計画しています。

さて、その前に竹野酒造で買ってきた「in/ei」と「ni」は、どこであけようかな。
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