2019年07月03日

恵比寿くろいわ 今年も折り返し

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先日、令和へと変わったタイミングで訪れた『恵比寿 くろいわ』。元号が変わったことで、徐々に料理も進化させていきたいという覚悟が垣間見られた夜でしたが、6月の末に訪れた夜も色々新たな試みが始まっていた。
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「伝統は過去と同じことを続けることではなく、時代に合わせた変化に挑戦し続けることなんだ」。伝統工芸の世界で活躍している友人らが口を揃えて言う言葉で、過去をひたすら守るのが伝統という先入観を持っていたボクには意外な発見でした。
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更に「挑戦してハズしたと思ったところで、過去の歴史から考えたら誤差に過ぎない」なんて話も印象に残っている。これはもちろん伝統を継ぐためのベースがあっての話だけど、そんなに強い引力がある場所での生き方というのは、ボクのような気楽な人間には全く想像のつかない類のもの。
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ガチで勝負してる人の話は、たくさん刺激がもらえるけど、反面ぬるい自分をイタいほど自覚することにもなるので凹むことも少なくない。まー、でも、自分は自分なりに譲ってない部分はあるはずで、人と比べてあーだこーだ悩むことは不毛なので、刺激だけもらって明日への活力にしています。
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さて、この日は2019年もいつの間にか半分が終わろうとしているということで、「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)」がテーマ。1年の前半を無事に過ごせたことに感謝するとともに、半年間の罪や穢れをお祓いし、残り半年も清らかな気持ちで過ごせるよう願うというもの。

神社に草で作られた「茅の輪」が置かれていていたりしますよね。あれをくぐると、より穢が落とせるということらしいです。恵比寿くろいわ2019-10




この日は、鮎、鱧、鰻などいただいたわけですが、中でも鮎が3種の調理法でひとつのお皿の上に並ぶのは、骨の柔らかい若鮎ならでは。

目の前で〆た鮎を焼きと背ごしに。まだ泳いでいた鮎が、こうして完成形の料理となるプロセスを見られるというのは、実に日本らしい演出だなと改めて。ちなみに背ごしというのは、若い鮎などの骨が柔らかい小さな魚を、頭や内臓を取り除いて骨ごと薄い輪切りにした料理のこと。鮮度がいい鮎じゃないと出来ないのよね。
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鮎の焼物は頭が揚がげて、尾はしっとり蒸し焼きというニュアンスで。
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八寸は青色が印象的な久留米の籃胎漆器。青楓が添えてあるので川か湖に舟が漕ぎ出したかのような涼やかな印象を受ける。
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この籃胎漆器は、久留米藩の刀の鞘塗り師がつくったとされるもので、明治時代 武士向けの産業では食べられなくなった職人が民間向けに技術を活かしたものですね。高度な兵器向け技術が民間に転用される今と全く変わらないスタイル。インターネットとかドローンとか、腕時計なんかも同様のケース。
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最初に「夏越大祓」で鱧が出てきたのには驚きましたが、椀物が一夜干しした鰻というのも意外でした。出汁も鰻を使いつつ、昆布と鮪で整えていました。
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茶懐石を意識して酢の物という位置づけで夏蛸やアブラメを。実山椒をお酢に溶かし、底に敷いてある大和芋で味を調整しながらいただきます。
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そうそう、この日料理の写真が揃っているのはカウンター貸切だったから。SNS全盛時代に他のお客さまに配慮してカウンターでの写真は禁止というスタンスを貫いている。なので、ボクも訪問している割には写真があまり無いんです。
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土曜日ということで、18:00スタートにしたんだけど、20:30頃には一通り料理も出終わって、煮えばなが出てきたのが21:00前。そこからまさかのご飯お代わり構成で、結果8種類の変化系をいただくことに。
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煮えばなのあとは、炊きたての白米、桜えび丼、山菜天ぷら丼、はも丼、牛肉山椒、雲丹むすび、ゆば茶漬けと、普段米をセーブ気味の自分には絢爛過ぎる展開。
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前半は準備もしていたものだろうけど、後半は完全にアドリブですね、凄いわ。というか皆さん良く食べますな。
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そりゃ、いろいろお酒も出てくてるわけですわ。
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結果、気づいたら23:00だったというのは驚きでした。5時間のディナーってバスクですか??
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しかも帰りの時刻の関係もあってお茶室はカットしてでの流れだったので、これでお茶室まで行ってたら23:30は過ぎていたと思います。
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夕方は雨がひどくて、着物で来るのを諦めましたが、最近和装の機会が減っているので、意図して増やしたいなと思ってます。
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じっくりと通えるお店があるというのは、食を愉しむ上で大事なことだし、幸せな縁だなと思っている。友人と同じで深い付き合いをするのはそんなに数は要らない、というか無理。もうこの歳になったら、新しいとこにも足を運びつつも、信頼できるお店に通う比率をあげていきたいっすね。旅をやめられないオレが言うのもなんだけど。
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恵比寿 くろいわ
03-5793-9618
東京都渋谷区恵比寿4-11-12
http://www.kuroiwa.org/



2019年の前半はどうだったかな。点数をつけるのは好きじゃないけど、感覚的には87点くらいな気がする。思った以上にやれたことも多いけど、全然進められていないところもあり。得意な方を伸ばすというスタンス自体は悪くないんだけど、弱点も補強する環境づくりをまずは心がけたい。
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ここ数年、夏の始まりは5月からじゃないかと感じるくらい熱帯化してる東京。だったら、せめて夏をポジティブに愉しむために、サマータイムで2時間くらい時間をズラして欲しいとこ。
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だって、仕事終わって21:00過ぎても明るいって嬉しくない? 18:00からBBQはじめて、21:00頃に夕方ってめっちゃ平日もボリデー気分なれるしさ。こういうものも、ゆとり持って味わいたいし。
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涼し気な器が並びます、江戸切子ではなく薩摩切子。
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夏を迎えるにあたり、6月末ということで「夏越の大祓」で鱧。
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見た目涼やかなのに温かいギャップ感も愉しむお皿。くずをたたいて、鱧の骨のお出汁にしたもの。生姜のべっこう煮が味を引き締める。
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出雲の生酛造り「無窮天穏 天雲」を。

体にストレスの少ないお酒というのはボクみたいなアルコールに弱い人種にとっては実はかなり重要なことで、飲み疲れないお酒というのが最近の”いいお酒”のひとつの尺度になっています。
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夏だこの食感を愉しみつつ、鮎魚女のかほりを楽しむ。
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鰻の一夜干しは、出汁にも鰻を使いつつ昆布と鮪でバランスを。
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水無月豆腐、わらび豆腐が鰻を引き立てる。
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手取川がここできますか。
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いよいよ鮎さま。ピッチピチに生きてます。
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鮎の串打ちは自分にあてはめると残酷極まりないんですが、鮎さんだと思うと神々しく見えてしまう。
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こちらは鮎の背越し用
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こんな山盛りになるまで切り続けていらしたんですね。
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鮎には食前酒的に、緑のカクテルを。
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蓼酢を微発泡の日本酒で割って。びっくりする組み合わせの和カクテルなんだけど、とてもハマってる。
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生粋の緑好き、ミドラーには至福時間
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備前の若手作家さん
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この時期ならではの鮎の三種盛り。焼きの下に甘露煮が。
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頭が揚がって、尾はしっとり
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こちらは蒸し暑い初夏らしく「涼物」という位置づけ。
白味噌の冷たいスープの中には、秋田の大きなじゅんさいとアワビが。肝もうまし旨し
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鮑に気を取られがちだけど、この器からは想像できないくらいの大きなじゅん菜が下に入ってて、その違和感にヤラれてました。
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いよいよ八寸。
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水に浮かぶ八橋をイメージ。調べてみたら三河の無量寿寺に八橋ってあるのね。
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デカイ蕗の葉の中には薩摩切子かな。梅が炊かれて入っています。酸っぱい梅干しは苦手だけど、こちらはいとうまし。
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鴨にとうがん
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船の中はなめろうで、キスと小山のうるい。山ウドをウドバターで仕上げてたり、稚貝を使っていたり。
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この緑の佇まいもいいね。日本の色の表現って、何色が一番多いのか調べてみたら赤でした。
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つづくお皿も「精進物」というオリジナリティ。お皿も昔の人の発想で作られた生き物をイメージして作られたもの。
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エビとかナマズとかね。
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手数でいけば高級食材も目じゃないというもの。
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大徳寺麩をお肉に見立てて、山菜と茄子を添えて。好きです、こういうの。
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こちらには、このお酒で。
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茶碗蒸しはスッポン。葱坊主 初めの一歩のものが入っていてスフレみたいなテクスチャ。
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横に添えてあるのもスッポンだったかな。
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ここで”にえばな”が出てきて、〆に入るというか後半戦のはじまり。
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こちらも薩摩の焼物、美しいだけじゃなく技術力の高さに裏付けされたもの。
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炊きあがったご飯を、まずはシンプルに。
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山椒を刻みながら「お代わりもいけますか?」と。このあたりは予定していた流れ。
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桜海老のチリメン山椒、フレッシュな山椒に抜け感
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緑好きの意気投合の図。
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強烈な山菜の天丼、たまごのアクセント具合もヤバい
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まだまだ、いけますとカウンターに並ぶ友人たちは口を揃える。
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鱧丼というのも贅沢な遊び。
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若干、このあたり記憶が薄めで勿体無い。
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雲丹のおむすびとか、もう一度逢いたい。
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もうお米が残っていないということで、正真正銘最後のご飯。
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湯葉のお茶漬けでフィニート
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クールダウンに相応しい存在でした。
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あまりに長丁場だったので、お茶室は諦めて。
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この日は和装も諦めてたし、次回にねと。
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件のお茶碗で、お薄をいただきました。
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ここにも青楓が。
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と思ったら、湯呑にも。
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都心にいながらも完全に非日常への小旅行。
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次回、お茶席までに平点前くらいおさらいしておかないと。
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やはりカウンター貸切は、愉しいですね。写真の多さにビビったけど。
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さて、後半も悔いを残さないようにがんばりますか。
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kyah2004 at 23:30│Comments(0)日本料理 | ¥20000〜

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