京都_201511太秦江戸酒場
2015年11月08日
琳派の秋 太秦江戸酒場と京焼今展
半年に一度、この夜のために京都へ行きます。
京都の時代劇スタジオ、太秦映画村を貸しきって、
着物で大人の夜を楽しむ「太秦江戸酒場」。
春と秋にそれぞれ2夜限りで開催されていて
今回のテーマは”琳派の秋”。

さすがに3回目ともなると知名度もあがってきたせいか、
ゲストも多種多様に。最初の頃は運営サイドの友人が
多かったイメージだったけど、回を重ねるたびに
オープンな雰囲気が強くなっていく。

イベント内での催しも傾奇いた「ポールダンス」とか
音と光とアートのセッションとか、エッジは立たせつつも
わかりやすい方向にゆるやかにシフトしていて、
「今までで一番楽しかった」というゲストの声も。

特に今回バージョンアップしたのが食事。
「いづう」の鯖寿司に、木乃婦の酒のつまみに
「俵屋吉富」の和菓子。「じき宮ざわ」の
落鮎 揚げだんごや「祇園MAVO」の洋風弁当
など、酒がすすむ逸品が並ぶのね。

京湯葉 千丸屋×いづう×中村楼でのコラボ
なんてものもあって、鯖と湯葉の薄葛仕立てや
パンナコッタもうまかったなぁ。

(祇園MAVOの洋風弁当)
京都ならではの内容に舌も昂ぶる大人のコスプレ。
初日は寒かったせいもあって、ひたすら盃を空けまくって
酔っ払ってました。

毎回そうだけど、太秦江戸酒場のコンテンツは
伝統にリスペクトを払いながらも、あくまで自分たちが
"今"の感覚で、価値があると思う表現に拘りぬいている。

確か、朝日焼の松林くんがNHKの取材に対応してる時の
コメントで聞いたんだと思うけど、「自分らが多少無茶な
チャレンジをしたところで、400年の歴史からしたらタカが
しれている。たいした振れ幅でもないし、間違っていたと
したらすぐに戻せばいい」と。
文字だけ追っちゃうと軽く聞こえるかもしれないけど、
コレ、400年の歴史を背負って言うのって、半端ない
勇気だと思うのよ。

そして、これが太秦江戸酒場の本質だと思うのよね。
東京が真似しても同じことは出来ない。
何故ってこれが出来るのは、歴史という責任を
背負ってる人間だけだから。

京都に通うようになって気づいたことは、あちこちで
若手が伝統の壁に果敢にチャレンジを続けているということ。
太秦江戸酒場も同じで、こうした実験の場を通じて
伝統が今の時代へとチューニングされていく。

こうしたTRY&ERRORは、京都の日常では
当たり前に行われていることなんだけど、
そこにボクら観光客が気軽に関わっていける
のが、魅力のひとつでもあるんです。

ま、そんな小難しそうなことはどうでもよくて、
着物もっててもなかなか着る機会ってないし、
どうせなら皆で着物を着るほうが楽しい。
しかも京都なら尚更。
次回は半年後、皆さんの参加も
楽しみにしています。

こちらは、Facebookにアップしたら、1日で7000回
再生されたムービー。ボクが撮ったものを適当に
つなぎあわせただけだけのもの。ただ、ライブ感は
あると思うよ。良かったら、見てみてね。
「太秦江戸酒場」と同様に琳派をテーマにしていたのが
「京・焼・今・展(MODERN KYOTO CERAMIC)」
祇園の建仁寺で普段は非公開の塔頭 両足院で
開催されていた京焼の若旦那達のあらたな挑戦。

「太秦江戸酒場」の疲れを引きずって寝ぼけ眼のまま
向かったんだけど、来てみて驚きましたわ。まさか、
畳の上に庭を再現しているとは....
さっきも書いたようにテーマは琳派。
この庭は何を表現してるかというと、
琳派の代表作、風神雷神図屏風の
裏に描かれた夏秋草図屏風なんです。

建仁寺には俵屋宗達が書いた国宝、
風神雷神の屏風画があるんですね。
この宗達の「風神雷神図」を光琳が模写し、
その屏風の裏面に酒井抱一がみずからの
代表作”夏秋草図屏風”を描きつけたんです。
その夏草屏風図の再現がこの畳の上の庭。
琳派のメッセージを現代に届けた意欲作。
そりゃ、目も醒めましたわ。
小川長楽の小川裕嗣くん、華道家 笹岡隆甫さん、
水墨画家 吉田翔と建仁寺 両足院の副住職 伊藤さん。

その流れで、今度は朝日焼の松林祐典くん、
清閑寺窯の杉田眞龍さんの琳派の間へ。
こちらも刺激的な空間で、アールヌーボーの
エッセンスを取り入れて琳派を表現している。
ちなみにこちらは風神で朝日焼の焼物の上に
清閑寺窯の杉田さんの絵が描かれている。

作家のお二人からこの作品にまつわる話を伺いつつ
二人の共作のお茶碗で初のお客さんをやらせていただいた。

正真正銘、お茶碗の初客。
いやー、このためだけにも京都来る価値あるよ。

ちょっと寄るだけのつもりが気づいたら4時間くらい滞在していた。
その後、五条の河井寛次郎記念館へ。こうした感性が揺さぶられる
空間が、あちこちに残っているのが京都ならでは。

更に、渉成園でやっていた井上雄彦(バガボンド/スラムダンクの作者)の
描いた親鸞上人の屏風絵を見に行くという休日。で、ちょっと休んでから
また「太秦江戸酒場」へ。刺激的過ぎる休日は休んでる暇がありません。

紅葉の京都も楽しみすぎる!!
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