2018年03月04日

祇園 呂色(京都)うまいもんガストロノミー

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以前、京都に行くたびに足を運んでいたデザートバーが祇園にあって、そこでシャンパーニュとホットケーキをいただくのが愉しみでした。ここのホットケーキのお酒使いが絶妙で、めちゃ大人向き。当時の店名は「Krepe」、祇園の芸姑さんもよく休憩に使っていたというセンスのいいお店だったのよ。

今ではリッツカールトンの横の「Cave de K(カーブ ド ケイ)」という人気のワインバーでこのクレープが食べられるようになったので、そっちにはちょくちょく行くんだけど、花見小路の交差点至近の「Krepe」にはその後どんなお店が入ったかも知らずに、懐かしい記憶となっていました。
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なので、京都で最近いい店がオープンしたよと誘われて行ったとき、場所が昔「Krepe」のあったとこだと分かった時は驚きでした。期せずしてえた邂逅に自然と心が昂ります。


そう、この日訪れたのは、まだオープンして間もない『祇園 呂色』。呂色というのは、漆工芸の技法”呂色塗”からできた色名で黒漆の濡れたような深く美しい黒色のこと。なるほど、この長い漆黒のカウンターや店内のシックな印象にあってますね。
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シェフの小霜さんは、芦屋で有名な「コシモプリュス」というフレンチのミシュランホルダー。今はフレンチの枠を超えた新しい発想のお店にしたいということで、シェフ自らカウンターに立って、京都での挑戦の日々を愉しんでいるように見えました。
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料理は軸のしっかりしたモダンフレンチらしさと、京都というイメージに相応しい和のアクセントが効いた内容で、品を保ちながら遊んでるスマートな流れが心地良い。

ワインの合わせ方もひねりあって、全然フランスワインだけにこだわってなくて、最近多い日本酒とのマリアージュはもちろん、RADIKONとかグルジアワインとか、ソムリエのセンスの良さにも惹かれます。
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つか、いきなりドンペリのヴィンテージとかアガっちゃうから(笑)。2009年の深みある味わいは、それぞれのシャンパーニュが、それぞれの瓶ごとに過ごしてきた異なる時間を纏っているわけで。
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それは、ビスポークの上質なジャケットを着たときの感触に似てるかな。吊るしでは味わえない心地よさ。


その流れからはじまるアミューズで、呂色のメッセージが伝わってくる。世界三大珍味をセッションさせたお皿は、左からいただきます。

熟成の短い5日以内のキャビアは、シラスとレモンピールのジャムと合わせて。キャビアのレアなテクスチャや味わいは、わかりやすくいうと上質ないくらを彷彿とさせる。もっと余韻に浸っていたいのに、味が引いていくときの儚さが印象的。
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トリュフエキスを注入した燻製鶉玉子に更にトリュフ添え。薫香の加減も程よく繊細な仕事が映えていた。

フォアグラバナナでつくったプリンは、低温調理の山椒が非常にうまく効いていて、ねっとりねっとりだけど、全然くどくない。この味はしっかりと主張しながらも、ライトな落とし所ってイイじゃない。

とまぁ、このひと皿で前菜・メイン・デザートのような文脈を創っていて、”枠にとらわれなくていいよ”、”遊んじゃうよ”、”でも味はハズさんよ”とシェフの代わりに語りかけてくえる。


すっかりお店の空気に馴染んだ頃に、メイン料理のプレゼンがはじまります。コース一本のフレンチだけど、メインの選び方で若干流れが変わるようで。シャラン鴨、ラカンの鳩、ロゼールの仔羊、そしてBMS12のみかわ牛という陣容。どうしても仔羊とピジョンが選べなかったので、友人とハーフポーションづつ分けてもらうことに。
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素材は容赦なく贅沢食材が並ぶ。オマールは敢えての冷製にしてもらったんだけど、ほんと油断ならない(笑)。この黒いつぶつぶ、またしてもキャビアかと思いきやオマールの卵なんですよ。青、赤、白と3色の胡椒を使ったソースのジェットストリームアタックが強烈なパンチを放つ。
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ふわとろなのどぐろは山口産。皮目にあられをつけて味わいと食感のアクセントを。牛のコンソメ出汁のスープがいい仕事していて、すだちの皮が味をキュッと締めている。このお皿、相当タイプ。
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メインの仕上がりはトップの写真。美しくフレンチらしい王道な仕上がり。
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フツーなら、そこで終わるところを最後にごはんモノ持ってきちゃうのが「呂色」の凄いとこ。これが、なんちゃってだと「ふーん…」な後味になるんだけど、しらうおの天ぷらと生うにの極上なセッションは、花びらのような海苔と一体化して極上のエクスペリエンスを提供してくれる。や、正直参りました。フレンチの技をもって真剣に遊ぶと、こういうことになるんすね。祇園のフレンチは「MAVO」が凄いけど、「呂色」も行く価値ありますね。
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祇園 呂色
075-541-5510
京都府京都市東山区花見小路四条西入ル北側266 井澤ビル 5F


かなり通ってるから感じるんだけど、どんどん新しい風が京都に吹き込んできていて、いつしか日本を引っ張るマスターピースになっている。東京は上海、シンガポール、バンコク、香港が競合だけど、京都はそことは全然違う軸で存在している。大人になってわかったけど、この都はひたすら面白い。
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これで半分くらいが写せてるくらいかな。漆黒のカウンターが綺麗に伸びている。
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その空間に負けないアーティスティックなセッティング。
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席につくと「外は寒かったでしょう」と、海老芋とずわいがにの温かなお皿がすっと差し出される。
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一息ついたところで、2009年のドンペリを。
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あからさまに美味だわ。
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このアミューズでほんとテンションあがりましたわ。
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いちいちワインのセレクトがニクい。
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ロワールのホワイトアスパラ、蛍烏賊のフリットはかりんとうのようなビジュアル。衣を噛むと、口の中で蛍烏賊のエキスが広がります。ホワイトアスパラと金柑のピュレを従えて濃厚な味わいとバランスをとっている。周囲に散らされた金柑パウダーも爽やかさをアゲてます。
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冷製のオマールに驚くことはないけど、ブルターニュの卵付きというのは初体験。
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白ワインもたいていブルゴーニュなので、ボルドーの白は新鮮。パワフルなネゴシアンの「CHATEAU LATOUR MARTILLAC」は、さすがにバランス感いいですね。
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そして、コレが定番メニューにしたいと言っていた牛タン。上にかぶせてあるのは葱っぽく見えて生食用のえのき。
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ちょっと味噌っぽい味付けとえのきの食感が和のエッセンス。
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ヌフデュパフと絶妙にして完璧なマリアージュ
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山口のフグの白子。百合根と淡路の大葉を一緒にフリット仕立てにしている。ここまでの組み合わせは賛成なんだけど、山形の赤レモンと合わせていて、そのバランスがちょっとトイレの芳香剤っぽいニュアンスになって、オレは得意でなかった。アジアンガストロっぽいアプローチは評価したいとこなんだけど、ちょっとしたバランスが難しいね。
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ワイン発祥の地と言われているグルジアのワイン。独特のビオっぽい風味がモロ好み。こういうのをフレンチベースのコースに挿し込んでくれるのが、何度も言うけど嬉しいです。
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メインの料理が各皿に分けられる前のプレゼンテーション。肉の火入れも素晴らしいけど、器や石の配置、グリーンの散らし方もセンスいいね。
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そうそうカトラリーにはお箸も添えてあるんです。
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メインに合わせたワインは、2001年のVal di Suga Vigna Spuntali Brunello di Montalcino。サンジョベーゼの2001年って逆にあんま飲んだことがなく新鮮。サンジョベーゼらしいパンチはありながらもエレガント。
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仔羊とラカンのピジョン。途中で(この後も)トリッキーな仕掛けいれてくるけど、メインは王道にして正統。
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ランチが遅くて(かつボリューミーだったので)メインで一旦 キャパオーバーな雰囲気だったんだけど、最後に〆ごはんが出るというので、挑まないわけにはいかないな…と。カレイと白魚と雲丹を選択。
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デセールは、苺のメレンゲと和歌山産まりひめ、マスカルポーネとベリーアイス。テクスチャと味わいのコントラストが心地よく、ラム酒のかほりが全体にエロスを纏わせていた。
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食後酒まで抜かりなし。
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このパワーストーンはプティフール。
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日本庭園のような佇まい。
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こういうアプローチは、銀座でも恵比寿でもなく、京都という場所が似合います。
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料理の展開力もさることながら、ワインとのペアリングに惚れた古都の夜でした。
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祇園 呂色フレンチ / 祇園四条駅河原町駅三条京阪駅
夜総合点★★★★ 4.5



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