2016年03月07日
チェナクルーム (銀座) 自由で媚びないフレンチ
銀座と言っても新橋寄りのコリドー街に
最近オープンした『チェナクルーム』。
きちんと手の込んだフレンチなんだけど、
和のエッセンスを遠慮無くぶっこんできたり、
中華っぽいアレンジも大胆に取り入れてくる。
この遊び方に媚びがなくて、本気なのが印象的だった。
昔は、食べ手が慣れてなかったせいもあってか、
フレンチに和のアレンジって、よそよそしさとか、
わざとらしさみたいのが感じられたじゃない?
でも『チェナクルーム』は、そういう遠慮もなくて
突き抜けた感じが今っぽくて気持ちいいの。
しかも合わせるドリンクも、ワインだけじゃなく
日本酒だったりカクテルだったり。
これが、実に見事にマリアージュするんですわ!
ペリングメニューも酒が弱い人向けの
量が少なくお手頃なものがあって、
「少なくていいから、色んなお酒愉しみたい」
というボクにはピッタリ。

店内は白のアクセントが効いたエレガントな空間と、
木の素材のもつやさしさを際立たせた2つの要素で
成り立っている。カジュアルな女子会にも、ちょっと
力の入ったデートにも、両方使い分けができると思う。

窓の外を向いたカウンター席とか、こうしたフレンチの
お店では、あんまし見たこと無かったから新鮮。
線路脇のビルの最上階だけあって、おもったよりも
景色が抜けている。国会議事堂が見えるから、
なにげにテンションあがるかも。

料理で特に印象的だった前菜。
ズワイ蟹とホタテのカネロニ風前菜は、
透明な葛で巻いた軽い仕上がりで、
トマトのジュレと合わせることで、更に
軽やかな印象に仕上げていた。

まりえがオーダーしていた水餃子風の
スープは、確かにブラインドで食べてみると、
中国料理のアクセントが強いかも。
それでいてフレンチの芯は通っているから面白い。

メインは、尾崎牛を大胆に使ったポトフをセレクト。
これまでの経験もあって、ポトフって、ホロホロっと
崩れた肉をスープや野菜と一緒くたにして食べるって
先入観があるじゃない。
そこに肉の味自体がしっかり立ったブロックの
尾崎牛を合わせてくるので、最初は肉とスープの
一体感をどうばいいかなって悩んでしまった。
だいぶ歯ごたえある肉塊なので、咀嚼しながら
スープを流しこむことで一体感を創りだしては
みたけど、折角の尾崎牛なら、もうちょい違う
アプローチも試してみたかったかな。

料理も遊んでるし、お酒も振り幅あって
ほんと楽しかったので、これからも
既成概念にとらわれずチャレンジを
続けてくれると嬉しいな。

チェナクルーム (cenaculum)
050-2018-2414
東京都中央区銀座8-3-1
GINZATOKIDEN 10F
http://charpente.jp/cenaculum/
さすが、マーケットインでは
定評のあるVinosityの展開力。
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ペアリングは一杯60mmの少ないコースも、
シャンパーニュはHENRI GIRAUD 。

何度も言うけど、酒が弱い人間としては
2700円で色々ペアリングできるということが
めーっっっっっっちゃ嬉しいんです。
2人だと、相手が相当呑める人じゃないと
ボトルワインは残しちゃうし、だいたい後半戦、
キャパ超えでアルコールを体が受付けなく
なるんすよ。
ちょっとづつ、料理に合わせてお酒が飲めるって、
酒呑みが思ってる以上に、遥かに嬉しいサプライズ
なんです。もう、これだけで再訪する理由になるくらい。

アプローチはちと違うけど、祇園の『MAVO』の
ティーペアリングも、酒の弱いボクには泣ける
ほど嬉しい選択肢なんすよ。

カトラリーはL’ASっぽく引き出しタイプ。

野菜はラフに着崩したビジュアルだけど、
それぞれがとても真摯で甘い。こりゃ、
良家の育ちの良さが隠しきれてないな。

続いてのアミューズは、ブランダードのどら焼き。
塩気と甘さのバランスが、食欲を増進させてくれる


バケットは、東陽町にある「エクラデジュール」という
パティスリーのもの。袋に入ってくるのがかわいい。

かわいいだけじゃなく食感も程よく
ふんわりと甘いバターと良く合うのよ。

さっきも書いた蟹と帆立の前菜。

日本のワイナリーは、こういうフレッシュな
魚介にはドンピシャはまりますな。

このスープ単体だとフレンチなんだけど、
皿の周囲に添えられたものをスープの中に
落としていくとチャイニーズテイストに
変化していくんですよ

そして、合わせたのがこちらの日本酒。
このマリアージュは、ありそうで無いね。

いやいや、いい圧を放ってますね。
尾崎牛のブロックを贅沢に使ったポトフ。
これ、スープがほんとに旨かった。
オレ、スープが美味しいお店って好きなの。


そして、いかにも赤ワインにいきそうな流れの
ところを白でマリアージュさせてくるところ
なんてニクいと思わない?

鴨自体は極めてオーソドックスなアプローチなんですが


まさか、これをカクテルに合わせてくるとはね。
鴨とこのカクテル一口もらっただけで、思わず昂ぶったわ。


こちらは3種の安納芋を使ったデザート。
挑戦的でありながら、芯は太くブレてないのよね。

こちらには貴醸酒を合わせて。

一方、オレがオーダーしたのはアフロヘッドみたいな
アップルパイ。パイ生地好きのオレはついつい完食して
しまったので、あとでとんでもない満腹感と闘う羽目に。

アップルつながりで弘前のシードルを。

女子好みの内装に油断してると
根っこからもってかれますよ。
特にたべこんでる人ほど。

今年になってまだ2ヶ月ちょいだけど、
リピート率の高さでいったら、新規訪問
の中では筆頭候補。

そのくらい、ボクもまりえも気に入ってます。

今度は、どんなドキドキ体験させてくれっかな。

チェナクルーム (フレンチ / 内幸町駅、新橋駅、銀座駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0
まだまだヤンチャしちゃってください。
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