2017年10月16日
ENEKO TOKYO (西麻布)スペイン三ツ星のエッセンスを東京で
西麻布に9月OPENした『ENEKO TOKYO』は、バスクの三ツ星「Azurmendi(アスルメンディ)」のシェフENEKO(エネコ)氏の日本初出店。
ボクラはちょうど1年前に 「Azurmendi」へ訪問していただけに、『ENEKO TOKYO』日本オープンのニュースはめっちゃ嬉しくて、早速訪問してきました。

現地ではガストロノミー「Azurmendi」の横にビストロ「ENEKO Restaurant」が併設されていて、ロンドンでは既に姉妹店の「ENEKO LONDON」を展開中。

西麻布のお店は、ロンドンと同様にビストロのENEKOの冠のはずだけど、料理は かなり「Azurmendi」のシグネチャーディッシュが入っていて驚きましたわ。

アミューズのピクニックバスケットの演出も、都内でよく再現したなーと。ここからまだ植栽増やしていくそうですが、それにしても贅沢過ぎるスペース使いで昂ります。

360°カメラでも撮ってみました。
Post from RICOH THETA. #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
料理は厨房の規模も全然違うし、そもそもビストロなんだけど、シグネチャーのトリュフ卵やバスク風きのこなど忠実に再現していて、バスク三ツ星の片鱗を感じることができます。現地ほどソルベ技は使ってないけど、味の組み合わせとかパンチ力は、いかにも「Azurmendi」。

分子調理法とか、テクニックに目がいきがちなスペインのガストロ文化だけど、一番の面白さは味の組み合わせと落とし所の面白さだと思っている。そのワクワク感が東京で高いクオリティとともに再現されているのが、とても嬉しい。

ちなみに、すっかりスペインガストロにハマった当家は、昨年のバスクに続き今年のバカンスはマドリードを開拓してきます。

「ENEKO TOKYO」の話に戻るけど、世界中のグルマン達がわざわざ食べにやってくるメインのピジョンまで食べられて、ディナーコースで13,000円というのはかなりリーズナブルよ。

本家はアミューズからプティフールに至るまで、凄まじいアイテム数なので、正直 戦(いくさ)的な一面もあるんです。でも、日本のコースはいいとこどりで絞り込んであるから「Azurmendi」のエッセンスを効率よく堪能することができちゃいます。
こと魚に関しては本家以上の美味しさでした。あ、海バスクって魚料理もめっちゃ上手なのよ。ただ、訪れた日がちょっとチャレンジし過ぎな部分もあってね。

ワインのペアリングも◎。チャコリのバリエーションを、こんなにも豊富に用意してくれるとは。

僕は無理言ってランチにディナーのコースお願いしちゃったけど、通常のランチなら5000円からコースあるし、スペインのレストランらしく肩肘張らない空気感がイイ。
いい意味でも悪い意味でもフレンチは気位高いし、イタリアンの艶感とか勢いは楽しいけど閉鎖的な一面も。その点、スペインって開放的で気取ってないから、やけにリラックスできるのよね。

結婚式場も兼ねているということで、サービススタッフの数は半端ない。まだこなれてないとこあるけども、真摯なスタンスは伝わるので心地いい。ビストロの皮をかぶったスペインガストロノミーは、きっと貴方の期待を裏切らないはず。

Eneko Tokyo
03-3475-4122
東京都港区西麻布3-16-28 TOKI-ON西麻布
http://eneko.tokyo/
フレンチは、たくさん日本にもガストロノミー入っているけど、イタリアンですらピッツァとトラットリア主体で、エレガントなリストランテは希少な状況。
イタリアンですらそんな状況なので、スペイン料理のガストロノミーなんて数えるくらいしか日本に無い。そんな中、現地の味や雰囲気を忠実に再現しようとしている『ENEKO TOKYO』は、めっちゃ貴重な存在。今訪れるべきレストランのひとつです。
↓ ↓

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場所は西麻布の交差点近く。ビストロラインをイメージしてたので、立派なファサードにまず驚きました。
結構雨降ってて傘開くまでに濡れちゃうなーと思ってたら、お店のスタッフがタクシーまで傘持ってやってきてくれた。きめ細かなとこまで目がいき届いてますな。

ウェイティングスペースでちょっと待ってから、順番にピクニックゾーンへと案内されます。これはテンションあがります。というか、このテラススペース、この日は使われてなかったけど、普段は何に使われてんですか?

もうちょっと植栽増やすと言ってたけど、本家の気分はしっかりと味わえる作り込み。ネタバレ指数全開ですが、このバスケットのアミューズの演出は、女子だけでなくオッサンも嬉しい。スモークなんて本家にもなかったような演出だし(だよね?あったっけ?。

バスケットの中には、手の込んだアミューズが。
エアリーな生地感の薄いビスケット生地に、ライトなチーズを乗せたアミューズは、繊細さと力強さを兼ね備えている。多分、この段階で今のスペインガストロノミーの魅力が分かると思う。アンチョビを効かせた鰻とチーズのブリオッシュや、カクテルにパッションフルーツを加えてチョコでコーティングしたアミューズも、”いかにも”なアプローチ。

ともすればナンチャってになりがちなところだけど、ここをクオリティコントロールできてるのが、まず驚く。そしてガストロらしい品のあるチャコリを惜しげもなく出してくるのがスゲーっす。

ここでひとしきりピクニック気分を味わった後で2Fのダイニングへ。

こちらは個室。2Fにもちょっとしたテラスあったので、ピクニックしてからテラスでアペったりするのもお洒落っすね。

ディナー営業も当然あるけど「Azurmendi」のインパクトが強烈に残っている当家は、やはりランチタイムで訪れて正解。陽射しが似合うのよ、バスクの食事って。

テーブルや椅子は、ビストロのENEKOと同じものを使っているらしく、カジュアルだけど品がある。

ちょいと、ここでまた360°カメラでダイニングの様子を。
オープンキッチンからは活気が伝わってくるし、シェフがダイニング側にいて、料理の仕上げに奮闘しているのをすぐそばで見ていられるのも面白い。

さて、いよいよENEKOのショーの本番です。

チャコリで気分があがったとこなんで、乾杯は当然シャンパーニュじゃなくカヴァでしょ。樽が効いたカヴァが美味で、まりえと思わず”本家より美味しくない?”と(笑)

そうこうしてるうちに、これまたシグネチャーなアミューズ トリュフ卵が登場です。しかもシェフがテーブルで仕上げとしてくれるという演出つき。

バスクでも魂持ってかれたワンバイト。こうやって作られるんだと直に見れたのは新鮮でした。

続いて出てきた”雲丹のテクスチャ 海のブラッディマリー”は、初体験ということもあって強烈なインパクト。このプレゼンテーションも良いよね。

ウニは雲丹よ出でて、雲丹より美味し。スンゴイ濃厚な雲丹の再構築。

海のエッセンスが入ったトマトジュースを途中で挟むことで饒舌に味が変化する。ヤバい、コレ、楽しい!! 食べたメニューのトレースも楽しいけど、新しい出逢いはドキドキだね。

ピクニックのチャコリより、更に希少なエネコのチャコリ。

たかがチャコリと思うなかれ、スペインワインの美味しさを知れるよ。

バスク風きのこは、去年本家でいただいたメニュー。エリンギをパスタ状に細く切って巻いてあるので、たっぷりソースが絡みつく。これだけでもテンションあがるけど、”らしさ”を感じるには、横の球体が大きな役割を果たすのよ。

横に添えてあるのは乳化した卵黄の天ぷらなのね。これをTHEガストロな前菜と絡めることで、どこかTKG的なわかりやすい味のパンチ力がうまれるわけなんです。フレンチのようにエレガントさが際立つ味の構成と違って、やんちゃにストレートなパンチを混ぜてくるのもスペインガストロノミー、いやアスルメンディの魅力だと思ってます。
こちらはイベリコ豚のフリット、バジルのエマルション。

イベリコ豚のフリットは、ジュとバジルを乳化させたソースと共に。外の薄皮とふわとろなテクスチャ、ソースとの一体感も”らしさ”を感じます。

魚料理に合わせたシャルドネもいい感じ。見事なマリアージュ魅せてくれました。

魚は金目鯛っぽいけどメルルーサ?

白身の下には味が染み込んだパスタを刻んだものが敷かれていて、パセリや海苔で色づけたソースとともに、実にいい味や食感のバランスを成立させていた。

肉に向けて、ここで赤ワイン登場。こちらはバスクの名門ワイナリーのもの。

果実味などは強すぎず弱すぎず、エレガントさも携えたスペインらしい赤。

メインは、ボクがイベリコ豚。まりえはピジョンに。

イベリコは、カリフラワーのピルピルが添えられて、これぞバスクな味わいに。

とはいえ、初訪問ならピジョンを選ぶべき。

グラスに入った鳩のコンソメと、このフォアグラを組み合わせることで、更に味が昇華する。一口もらっただけで、あの時のビルバオの景色が蘇ってきました。
ただ、オレがまりえから貰ったとこは、火がしっかり目に入ってたとこで、もうちょいレア部分を試してみたかった。再訪時は改めてピジョンに挑戦します。

全体的を通して感じたのは、トリッキーさを控え目にして、安定感高めにチューニングしているなという印象。個人的には、振れ幅の大きさもスペインガストロの魅力なんだけど、日本だと受け容れられにくい気もする。失敗にすぐに目くじらたてるからね。
バスク伝統のデザート。それをモダンにアレンジしたのがコチラ。チョコレートはシャーベット状で、クラッシュカカオや甘草のパウダーを散らしている。周囲を囲むのがまさかのシフォンケーキ。個性バラバラに見えて味がしっかり集約しているのが面白い。

料理は完成度高く、スタッフのレベルの高さが伺えるけど、どれだけメニューを替えていけるかというのが今後の課題な気がします。一度は訪れたほうがいいのは間違いないけど、次にリピる理由も欲しいからね。

2012年から三ツ星を守っているエネコの引き出しはたくさんあるんだろうけど、日本でどんな風に展開してくのかが楽しみ。代々木上原の「セララバアド」は季節ごとにメニュー総入れ替えだけど、そこまではやらずシグニチャーディシュは残しておく気がする。

日本ならではのメニュー展開ができて、それがバスクにフィードバックされたら面白いなーなんてことをカフェしながら妄想してました。

食後酒はエネコの親戚のワイナリーから。これまたエレガント。

カレー風味のゼリーも、中々の衝撃波。

マカロンはセンター寄り。

赤ワインのショコラは、ラテンな色気たっぷりで。

この日の着物には、こんなアンティークを合わせてました。

やー、久々に訪問した翌日にブログ書いちゃいました。それくらい美味しく楽しかったです。笑顔の溢れた勢いあるダイニングでした。
↓ ↓

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場所は西麻布の交差点近く。ビストロラインをイメージしてたので、立派なファサードにまず驚きました。
結構雨降ってて傘開くまでに濡れちゃうなーと思ってたら、お店のスタッフがタクシーまで傘持ってやってきてくれた。きめ細かなとこまで目がいき届いてますな。

ウェイティングスペースでちょっと待ってから、順番にピクニックゾーンへと案内されます。これはテンションあがります。というか、このテラススペース、この日は使われてなかったけど、普段は何に使われてんですか?

もうちょっと植栽増やすと言ってたけど、本家の気分はしっかりと味わえる作り込み。ネタバレ指数全開ですが、このバスケットのアミューズの演出は、女子だけでなくオッサンも嬉しい。スモークなんて本家にもなかったような演出だし(だよね?あったっけ?。

バスケットの中には、手の込んだアミューズが。
エアリーな生地感の薄いビスケット生地に、ライトなチーズを乗せたアミューズは、繊細さと力強さを兼ね備えている。多分、この段階で今のスペインガストロノミーの魅力が分かると思う。アンチョビを効かせた鰻とチーズのブリオッシュや、カクテルにパッションフルーツを加えてチョコでコーティングしたアミューズも、”いかにも”なアプローチ。

ともすればナンチャってになりがちなところだけど、ここをクオリティコントロールできてるのが、まず驚く。そしてガストロらしい品のあるチャコリを惜しげもなく出してくるのがスゲーっす。

ここでひとしきりピクニック気分を味わった後で2Fのダイニングへ。

こちらは個室。2Fにもちょっとしたテラスあったので、ピクニックしてからテラスでアペったりするのもお洒落っすね。

ディナー営業も当然あるけど「Azurmendi」のインパクトが強烈に残っている当家は、やはりランチタイムで訪れて正解。陽射しが似合うのよ、バスクの食事って。

テーブルや椅子は、ビストロのENEKOと同じものを使っているらしく、カジュアルだけど品がある。

ちょいと、ここでまた360°カメラでダイニングの様子を。
Post from RICOH THETA. #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
オープンキッチンからは活気が伝わってくるし、シェフがダイニング側にいて、料理の仕上げに奮闘しているのをすぐそばで見ていられるのも面白い。

さて、いよいよENEKOのショーの本番です。

チャコリで気分があがったとこなんで、乾杯は当然シャンパーニュじゃなくカヴァでしょ。樽が効いたカヴァが美味で、まりえと思わず”本家より美味しくない?”と(笑)

そうこうしてるうちに、これまたシグネチャーなアミューズ トリュフ卵が登場です。しかもシェフがテーブルで仕上げとしてくれるという演出つき。

バスクでも魂持ってかれたワンバイト。こうやって作られるんだと直に見れたのは新鮮でした。

続いて出てきた”雲丹のテクスチャ 海のブラッディマリー”は、初体験ということもあって強烈なインパクト。このプレゼンテーションも良いよね。

ウニは雲丹よ出でて、雲丹より美味し。スンゴイ濃厚な雲丹の再構築。

海のエッセンスが入ったトマトジュースを途中で挟むことで饒舌に味が変化する。ヤバい、コレ、楽しい!! 食べたメニューのトレースも楽しいけど、新しい出逢いはドキドキだね。

ピクニックのチャコリより、更に希少なエネコのチャコリ。

たかがチャコリと思うなかれ、スペインワインの美味しさを知れるよ。

バスク風きのこは、去年本家でいただいたメニュー。エリンギをパスタ状に細く切って巻いてあるので、たっぷりソースが絡みつく。これだけでもテンションあがるけど、”らしさ”を感じるには、横の球体が大きな役割を果たすのよ。

横に添えてあるのは乳化した卵黄の天ぷらなのね。これをTHEガストロな前菜と絡めることで、どこかTKG的なわかりやすい味のパンチ力がうまれるわけなんです。フレンチのようにエレガントさが際立つ味の構成と違って、やんちゃにストレートなパンチを混ぜてくるのもスペインガストロノミー、いやアスルメンディの魅力だと思ってます。
こちらはイベリコ豚のフリット、バジルのエマルション。

イベリコ豚のフリットは、ジュとバジルを乳化させたソースと共に。外の薄皮とふわとろなテクスチャ、ソースとの一体感も”らしさ”を感じます。

魚料理に合わせたシャルドネもいい感じ。見事なマリアージュ魅せてくれました。

魚は金目鯛っぽいけどメルルーサ?

白身の下には味が染み込んだパスタを刻んだものが敷かれていて、パセリや海苔で色づけたソースとともに、実にいい味や食感のバランスを成立させていた。

肉に向けて、ここで赤ワイン登場。こちらはバスクの名門ワイナリーのもの。

果実味などは強すぎず弱すぎず、エレガントさも携えたスペインらしい赤。

メインは、ボクがイベリコ豚。まりえはピジョンに。

イベリコは、カリフラワーのピルピルが添えられて、これぞバスクな味わいに。

とはいえ、初訪問ならピジョンを選ぶべき。

グラスに入った鳩のコンソメと、このフォアグラを組み合わせることで、更に味が昇華する。一口もらっただけで、あの時のビルバオの景色が蘇ってきました。
ただ、オレがまりえから貰ったとこは、火がしっかり目に入ってたとこで、もうちょいレア部分を試してみたかった。再訪時は改めてピジョンに挑戦します。

全体的を通して感じたのは、トリッキーさを控え目にして、安定感高めにチューニングしているなという印象。個人的には、振れ幅の大きさもスペインガストロの魅力なんだけど、日本だと受け容れられにくい気もする。失敗にすぐに目くじらたてるからね。
バスク伝統のデザート。それをモダンにアレンジしたのがコチラ。チョコレートはシャーベット状で、クラッシュカカオや甘草のパウダーを散らしている。周囲を囲むのがまさかのシフォンケーキ。個性バラバラに見えて味がしっかり集約しているのが面白い。

料理は完成度高く、スタッフのレベルの高さが伺えるけど、どれだけメニューを替えていけるかというのが今後の課題な気がします。一度は訪れたほうがいいのは間違いないけど、次にリピる理由も欲しいからね。

2012年から三ツ星を守っているエネコの引き出しはたくさんあるんだろうけど、日本でどんな風に展開してくのかが楽しみ。代々木上原の「セララバアド」は季節ごとにメニュー総入れ替えだけど、そこまではやらずシグニチャーディシュは残しておく気がする。

日本ならではのメニュー展開ができて、それがバスクにフィードバックされたら面白いなーなんてことをカフェしながら妄想してました。

食後酒はエネコの親戚のワイナリーから。これまたエレガント。

カレー風味のゼリーも、中々の衝撃波。

マカロンはセンター寄り。

赤ワインのショコラは、ラテンな色気たっぷりで。

この日の着物には、こんなアンティークを合わせてました。

やー、久々に訪問した翌日にブログ書いちゃいました。それくらい美味しく楽しかったです。笑顔の溢れた勢いあるダイニングでした。
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