2019年08月18日
縄屋(京都)丹後のディスティネーションレストラン
カントリーサイドでも、素晴らしいお店はヒトを集められるという典型の京丹後『縄屋』
和久傳出身 店主の料理はもちろん、器や内装も美意識が貫かれて洗練されている。

いい意味でここが旅先だということを忘れがちになる空間なんだけど、地元の旬を使った”この場所ならではの料理”に、改めて丹後にいることを実感させてもらえるのよ。
しかも合わせるお酒が、2kmと離れていない場所にある竹野酒造。

以前も紹介したことあるんだけど、竹野酒造のトップキュベはブルゴーニュのグラン・クリュ的なアプローチ。杜氏のヨシキくんが実現したい味から逆算して、米の造り手や田んぼの位置を指定していているのよ。
お酒づくりの工程でも、色々独自の工夫がされてるけど、細かいことはよくわかりません。ただ、フレンチレストランで、鴨に1979年の JOSEPH ROTYのCharmes Chambertin(79年)をあわせていた時に、同時にトップキュベの -in/ei- も合わせていたんだけど、全くひけを取らない合い方をしていてね。
この日は今年の新作の - if - が大活躍。魚と野菜のフィット具合が半端ない。

ワイングラスも持っていったけど、真葛焼の新作「三昧椀」の初投入。この椀でいただくと、よりお酒がマイルドになるんすよ。そんなお酒の飲み比べも愉しみつつ。

雲丹とズッキーニ 擦り流しにトマト、海苔をあしらって。

椀物は天然のスッポン。一口食べて、すぐにヨシキくんがフィットするお酒を選んでくれるという幸せ。

チカメキントキの昆布締めとコチのお造り。近海の素材を使った、この場所でしかできない体験。

チカメキントキの昆布締めとコチのお造り。近海の素材を使った、この場所でしかできない体験。

そんな宴席が盛り上がらないワケもなく。
この、ふぐみたいな食感だった150kgの白カジキも美味だったなぁ、賀茂茄子の脇役っぷりも天晴で。

このムール貝っぽいものは、天橋立あたりで採れる「くろくち」。それが和の炊き込みご飯の仕上がりになってるなんて扇情されちゃうに決まってるでしょ。

魚菜料理 縄屋
0772-65-2127
京都府京丹後市弥栄町黒部2517
その地ならではの体験を求めて旅をする。体が動くうちは、そんな人生を送りたい。
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前回は、料理の器も真葛焼を持ち込んだけど、今回は酒器のみで。
伊根 向井酒造さんのお酢を使った雲丹とズッキーニ 擦り流し。海苔とトマトと合うんだねぇ。
さて、椀物は

天然のスッポンにモロヘイヤと粟麩を。

即座にフィットするお酒が選ばれて、

皆で「あーだこーだ」言いながら楽しむ時間。
チカメキントキとは金目鯛っぽい魚で昆布締めに。なんなの、この濃厚な美味しさは。
コチのお造りもしみじみ美味、赤紫蘇と合わせて味変も。しっかし紫蘇の仕事ヤバいね(右下)。
こちらには超 亀の尾を。強い旨味を引き伸ばす。
焼魚はマナガツオ。火入れの良さは、写真でも伝わるかと。まずは、野酵酢と赤紫蘇のソースにつける前に錦 蔵舞の2017年を合わせて、ソースを付けた後は - if -で愉しむというのが大人の遊び。

タコにおくら、清涼感がネバネバを支配する。
この涼しげな器は

タマネギのすり流しと桃のお浸し。上には鰹節をあしらって。この桃の熟し加減について、ひたすら皆でワイワイ議論してました(笑)。オレは涼しげで好きだったけどね。
焼魚は火入れが強すぎるとモソっとした食感になるのが好きじゃないんだけど、このフグみたいは弾力ある食感は好み。
嗚呼、とっても酔っ払い。
「くろくち」を存分に使った炊き込みご飯。この風味とお米の自然の甘さが実にいいバランス。
お代わりをせずにはいられませんから。
温泉の後に、洗練された地の物をいただくという究極の贅。
爽やかな後味を残す甘味で〆
また、丹後に帰りたい。